初心者向け:投資信託とETFの違い・メリット・デメリット徹底比較

導入: 投資初心者にとって投資信託とETFのどちらが良いのか?

投資を始めたばかりの初心者にとって、「投資信託」と「ETF(上場投資信託)」のどちらを選べば良いのかは大きな悩みですよね。どちらも少額から分散投資ができる便利な金融商品ですが、それぞれ仕組みや特徴が異なります。手数料はどれくらい違うのか、売買のしやすさに差はあるのか、税制優遇はどちらが有利か――初心者にとって気になるポイントはたくさんあります。

本記事では、社会人全般の初心者投資家をターゲットに、投資信託とETFの違いをわかりやすく比較し、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説します。手数料、流動性、運用コスト、税制優遇、運用の手間、パフォーマンス、投資対象などの観点から両者を比較し、初心者にはどちらが適しているのかを探っていきます。日本の投資環境だけでなく、グローバルな視点も交えながら解説しますので、ぜひ参考にしてください。

それではまず、それぞれの基本的な仕組みから見ていきましょう。

投資信託とは?

投資信託(ファンド)とは、複数の投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券など複数の資産に分散投資する金融商品です​。個人では買いにくい多くの銘柄に少額から投資できるため、少ない金額から効率的な分散投資を始められるのが特徴です。

投資信託には公募投信(一般の投資家向けに広く販売されるもの)と私募投信(特定の機関投資家向け)がありますが、一般的に「投資信託」と言えば公募投信を指し、日本には約6,000本もの公募投資信託が存在します​。投資対象も様々で、国内外の株式・債券、不動産(REIT)、コモディティに投資するものや、バランス型(複数資産へ分散)、特定のテーマに沿ったものなどラインナップは非常に豊富です。運用方法も、大きく分けてインデックス運用(特定の株価指数など市場指標に連動する運用)と、アクティブ運用(ファンドマネージャーの裁量で市場平均を上回る成果を目指す運用)があります。

基準価額と取引: 投資信託には株式のようなリアルタイムの価格はなく、その価値は1日1回算出される基準価額(純資産総額を口数で割った価格)で表されます​。証券会社や銀行を通じて口数指定(何口買うか)または金額指定(いくら分買うか)で注文でき、購入申し込みをすると、その日の市場閉鎖後に計算される基準価額で取引が成立します​(実際にいくらで買えたかは翌営業日以降に基準価額が公表されて確認する形です)。売却の場合も同様に、解約申し込みをした日の基準価額で決済されます。基本的にリアルタイムでの売買はできず、1日一度の基準価額による取引となります。

購入できる場所: 投資信託は、証券会社、銀行、郵便局など様々な金融機関の窓口やオンラインサービスを通じて購入できます​。取り扱い商品は販売会社ごとに異なりますが、ネット証券では数千本の投資信託をオンラインで取引可能です。銀行や対面証券でも購入可能ですが、ネット経由に比べると手数料が高い商品が多い傾向にあります。

ETFとは?

ETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)とは、その名の通り証券取引所に上場している投資信託です​。中身は投資信託と同じく複数の資産に分散投資するファンドですが、株式のように市場でリアルタイムに売買できる点が大きな特徴です​。多くのETFは日経平均株価やTOPIX、S&P500やNASDAQ-100といった株価指数に連動するインデックスファンドで、市場の指標(ベンチマーク)に連動した運用成果を目指します​。そのため、ETFのほとんどはインデックス運用であり、投資信託の中のインデックスファンドと性質は似ています(ごく一部にアクティブ運用のETFもありますが初心者が出会う機会は少ないでしょう)。

リアルタイム取引: ETFは証券取引所の立会時間中であればいつでも売買が可能です。価格は株式と同様に市場で需要と供給に応じて刻々と変動します​。投資家は証券会社の株式取引と同じ仕組みで成行注文(その時の市場価格で売買)や指値注文(指定した価格になったら売買)を出すことができます​。市場が閉まっている時間帯でも注文を予約し、次の営業日の取引開始時に売買を成立させることも可能です​。ETFの価格は常にリアルタイムに変動していますが、その基準となる価値として**基準価額(iNAV)**も随時算出されています。もっとも、個人投資家は市場価格を見て取引すれば十分で、基準価額そのものを意識する必要は普段あまりありません。

購入できる場所: ETFは上場商品ですので、証券会社での株式取引口座が必要です​。銀行や郵便局などでは原則取り扱いがなく、ネット証券や対面の証券会社で売買する形になります。このため、ETFを利用するには証券会社の口座開設がまず必要ですが、逆に言えば証券口座さえ開設すればネットで手軽に売買可能です。日本ではETFは約300本程度が上場しています​。投資対象は、日経平均など国内株指数、米国株指数、国内外の債券や不動産指数、コモディティ(商品)など多岐にわたり、主要なインデックスには大体対応するETFが存在します。米国など海外に目を向けると数千本規模のETFがあり、より多彩な資産クラスや戦略に投資するETFが利用されています。日本の投資家も、国内上場のETFだけでなく海外ETF(例えば米国市場のETF)に投資することも可能で、その場合は外貨建て取引となります。

それでは、投資信託とETFの具体的な違いをさまざまな観点から比較してみましょう。

投資信託とETFの違いを比較

投資信託とETFは**「上場しているかどうか」が根本的な違いですが、それ以外にも手数料体系や取引方法、運用の仕組みなど様々な違いがあります​。ここでは主要な比較ポイントについて、表と解説**で分かりやすくまとめます。

主な違いの早見表

以下に、初心者が特に気になるポイントを中心に投資信託とETFの違いを比較した表を示します。

比較ポイント投資信託 (一般的な公募投信)ETF (上場投資信託)
上場の有無上場していない​
(取引所では売買不可)
上場している​
(取引所で株式同様に売買)
購入できる場所証券会社(ネット証券・対面証券)
銀行、郵便局など幅広い​
証券会社のみ​
(株式取引口座が必要)
価格の決まり方1日1回の基準価額で決定​
(リアルタイム変動なし)
市場の需要供給でリアルタイム変動​
取引可能時間原則24時間注文可能
(約定は営業日の基準価額算出時)
市場開場時間内​
(前場・後場の取引時間)
注文方法金額指定 or 口数指定​
(成行・指値指定不可)
口数指定​
(成行・指値注文が可能)
購入時の手数料購入時手数料あり※1​
ノーロードなら無料)
売買手数料(取引手数料)​
(証券会社所定の手数料)
信託報酬(運用中)年率0.1~2%程度(商品による)
※インデックス型は低め、アクティブ型は高め
年率0.1%前後が多い
※一般に同種の投信より低コスト
その他のコスト信託財産留保額※2(解約時手数料)
がある商品も​
売買時のスプレッド(仲値差)
上場維持費用など内部コスト
税制優遇口座NISA/iDeCoで利用可
(積立NISAやiDeCoの主要対象)​
NISAで利用可
(※積立NISA枠では制限あり)​
iDeCoは利用不可
自動積立(定期買付)可能(多くの金融機関で対応)​制度・サービスとしては不可が多い​
分配金の自動再投資可能(「再投資型」を選択すれば自動で再投資)​不可(分配金は現金受取のみ)​
最低購入金額100円~1,000円程度から購入可能​1口単位(株式と同様)
※価格×1口。数千~数万円程度​
銘柄数の多さ非常に多い(国内公募投信 ~6,000本)​少ない(国内ETF ~300本)​
投資対象の種類多様(アクティブ型・インデックス型・国内外株債券・テーマ型など)主にインデックス型(代表的指標に連動)
一部コモディティなども
信用取引(担保・空売り)不可(現物取引のみ)​可能(信用取引や空売り利用可)​

<small>※1 購入時手数料…投資信託購入時に販売会社に支払う手数料。近年はノーロード(無負荷)ファンドが増えており、特につみたてNISA対象ファンドはすべて購入時手数料無料​。※2 信託財産留保額…投資信託解約時にファンド資産に留保される費用。一部ファンドで0.1~0.5%程度設定される。短期解約による既存投資家への悪影響を防ぐ目的。

表にまとめたように、投資信託とETFには細かな違いが多数あります。それでは、これらの比較ポイントについてもう少し掘り下げて解説していきます。

手数料の違い(購入手数料、信託報酬、売却手数料)

購入時の手数料: 投資信託の購入時には、販売会社(証券会社や銀行)に対して購入手数料(販売手数料)を支払う場合があります。これは購入金額の○%といった形で課され、多くの場合1~3%程度が上限として設定されています​。例えば100万円の投資信託を買う際に3%の手数料ならば3万円を購入時に取られる計算です。ただし近年は「ノーロード」ファンド(購入時手数料ゼロ)も非常に増えており、特につみたてNISA対象の投資信託は全てノーロードと決められています​。よって、初心者がネット証券などでインデックスファンドを買う場合、実質購入手数料がかからないケースが多いです。一方、ETFの購入時には証券会社の売買手数料がかかります​。これは株式を売買するときと同様に各社が定める取引手数料で、約定ごとに数百円程度かかることが一般的です。ただ、証券会社によっては「○○ETFは売買手数料無料」といったキャンペーンやサービスも存在します​。たとえば特定のETFに限り売買手数料を無料化している場合もあるので、活用できればETF購入コストも抑えられます。

保有中の手数料(信託報酬)信託報酬とは、ファンドの運用管理費用のことで、保有資産から日割りで差し引かれる年率換算費用です。投資信託でもETFでも保有中は信託報酬がかかりますが、ETFの場合は**「経費率」とも呼ばれます​。一般にETFの信託報酬(経費率)は、同じ指数に連動する投資信託より低めに設定されていることが多いです​。例えば日本株の代表的指数に連動する東証上場のETF(国内ETF)平均信託報酬は約0.20%程度とされています​。一方、従来のアクティブ型投信などでは年1%以上という高い信託報酬も少なくありません。しかしながら、近年は投資信託でも超低コストのインデックスファンド**(例:信託報酬0.1%前後)が登場しており、投資信託=高コスト、ETF=低コストと一概には言えなくなってきました。実際、国内株や先進国株に連動するインデックス型投資信託は信託報酬0.1~0.3%程度の商品が増え、ETFと遜色ない水準です。一方で海外ETF(米国市場等に上場するETF)はさらに低コストなものが多く、経費率0.1%未満の商品も数多く存在します。例えば米国の代表的ETFである「Vanguard S&P500 ETF(VOO)」は経費率0.03%と非常に低く、同種の投資信託と比べてもコスト優位性が高いです。日本のETFも含め、総じてETFの方がコスト意識の高い運用がなされている傾向があります。

とはいえ、投資信託かETFかで迷う初心者にとって大事なのは、具体的な商品ごとのコスト比較です。同じ運用対象ならコストが安い方が有利なのは確かなので、投資信託とETFで迷ったらそれぞれの信託報酬(経費率)を確認してみましょう。例えば、全世界株式に投資する場合で比較してみます。SBI・全世界株式インデックス・ファンド(投資信託、愛称:雪だるま)と**バンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)**を比べると、どちらも全世界の株式に分散投資する商品ですが、信託報酬(経費率)は雪だるま0.1102%に対し、VTは0.07%とやはりETFの方がわずかに低くなっています​。この年0.04%程度の差は一見小さいようですが、長期で見ると積み重なります。ただし、この後述べるようにVT(海外ETF)はiDeCoでは買えないなど利用できる口座に制限もありますので、コストだけでなく使い勝手も考慮が必要です。

売却時の手数料: 投資信託を売却(解約)する際には、信託財産留保額と呼ばれる費用がかかる場合があります​。これは解約時に基準価額に一定%を乗じた額が差し引かれ、その分がファンド内部に留保されるものです(残っている他の投資家のために充当されます)。信託財産留保額は設定していないファンドも多いですが、設定がある場合は0.1~0.5%程度が一般的です。一方、ETFを売却する際には購入時と同じく証券会社の売買手数料がかかります​(例えば売却代金の0.1%など証券会社ごとの料率)。また、ETFの場合売買の際にスプレッド(買値と売値の差)も実質的なコストとなります。流動性が高いETFではスプレッドはごくわずかですが、出来高の少ないETFだと買うときと売るときで価格差が少し開き、その分コスト増になる場合があります。このように、売買コストに関しては投資信託は購入・解約時手数料で、ETFは売買手数料とスプレッドでコストが発生します。ネット証券の低コスト化やノーロードファンドの普及により、小口の積立投資では投資信託の方がトータルコストが低くなるケースも多いです。一方である程度まとまった金額を一度に投資する場合、ETFの低い信託報酬メリットが効いてくることがあります。投資額や投資期間に応じて、有利な方を選ぶと良いでしょう。

流動性(売買のしやすさ)の違い

売買のしやすさという点でも、投資信託とETFはかなり性格が異なります。

まず、投資信託は前述のように1日1回の基準価額でしか売買できません​。日中に相場が大きく動いても、基本的にはその日の終値などをもとに算出される基準価額で一律に取引が行われます。そのため、リアルタイムに思った価格で売買したいというニーズには対応できません。反面、価格変動を逐一チェックする必要がなく、長期的な資産形成に専念しやすいとも言えます。短期的な値動きに惑わされずゆったり構える運用には向いているでしょう。また、注文も24時間いつでも可能で、仕事で日中忙しい人でも夜間に翌営業日の買付予約をする、といった使い方ができます。ただし、投資信託は販売会社を介しての注文になるため、約定までタイムラグがあります。急落局面で「今すぐ売りたい!」と思っても即時には売却できず、基準価額算出時まで待つ必要があります。このタイムラグはデメリットにもなりえますが、逆に言えば感情的な売買を抑制してくれる効果もあるかもしれません。

一方、ETF株式同様にリアルタイム売買が可能で、機動的な取引ができます​。相場を見ながら細かく売買タイミングを図ることも可能で、例えば急落時にすぐ買い増ししたり、急騰時に利益確定したりといった柔軟な対応ができます。指値注文で自分の希望価格で待ち伏せしておくこともできますし、成行注文ですぐ市場価格で取引成立させることもできます​。ただし、この自由度の高さは常に相場を気にしてしまう原因にもなり得ます。初心者があまり頻繁に売買すると、タイミングを誤って損失を出すリスクもあります。したがって、ETFだからといって必ずしも頻繁に売買する必要はなく、長期保有前提でETFを買う人も多いです。

流動性(出来高)という観点では、日本のETFは銘柄によってかなり差があります。日経平均やTOPIX連動の主要ETF、米国株指数連動ETFなどは出来高も大きく売買しやすいですが、マイナーなETFは出来高が少なくスプレッドが広がりがちです。とはいえ、市場価格は基本的にETFの基準価額(NAV)近辺に収れんする仕組み(裁定取引による価格乖離の是正)が働くため、極端に不利な価格でしか売買できないというケースは少ないです。小口の個人投資家であれば、主要なETFで流動性に困ることはまずないでしょう。

現金化のしやすさでは、どちらも平日であればいつでも解約・売却できます。投資信託も通常は解約請求から2~4営業日で現金化されますし、ETFも売却すれば株式と同じタイミングで現金化されます(受渡は概ね2営業日後)。ただ、海外ETFの場合は時差の関係で夜間の取引になったり、為替取引も必要になったりと手間が増えますので、初心者にはまず国内商品である国内投資信託 or 国内ETFから入るのが無難です。

運用コスト(隠れコストも含む)の違い

前述した信託報酬以外にも、ファンドの運用には様々なコストがかかっています。投資信託もETFも、**運用の裏側で発生するコスト(いわゆる隠れコスト)**が存在する点は共通です。

隠れコストとは: ファンドが保有資産を売買する際の売買手数料や有価証券取引税、監査法人への費用、信託銀行(資産保管機関)への費用など、信託報酬には含まれない実費コストが発生しています。これらは投資家が直接支払うものではなくファンド資産から支払われるため、基準価額の間接的な目減り要因となります。一般に運用報告書でまとめて開示されており、「総経費率」という形で信託報酬+その他費用の合計が示されます。低コストファンドの場合、信託報酬0.1%に対して隠れコストは0.02%程度、といった風にそれほど大きくありません。しかしアクティブファンドなどでは売買回転率が高く隠れコストが信託報酬と同程度発生している場合もあります。したがって、実質コストを把握するには信託報酬だけでなく運用報告書記載の総経費率を見ることが重要です。

投資信託の場合、信託報酬とは別にこれら隠れコストが投資家に見えにくいという問題が以前から指摘されていました。しかし最近では金融庁の指導もあり、目論見書に**「総経費率」**を掲載するファンドが増えています。初心者はあまり細かい報告書まで見ないかもしれませんが、長期投資では0.1%のコスト差も積もれば大きな差になるため、余裕があれば確認するとよいでしょう。

ETFの場合、経費率として年率でまとまった形で公表されますが、その中には先述のような運用コストすべてが含まれています。もっとも、ETFもファンドである以上、内部で売買すればコストはかかりますし、それが基準価額に影響します。またETF特有のコストとしては、上場維持費(東京証券取引所への上場料)や情報開示コストなどもあります。ただ、こうしたコストも経費率に含まれており、ETFの場合運用の効率化が図られていることが多いです。また、インデックス運用のETFは一般に売買回転率が低いため、結果的に隠れコストも小さく、総経費率が低水準に収まります。

結論として、運用コスト面ではETFが有利な傾向ではありますが、昨今は低コストインデックス投信の登場で差が縮小しています。重要なのは個々の商品ベースで実質コストを比較することです。例えば日本株や先進国株に投資する場合、投資信託でもETF並みに低コストな商品が出ていますので、「ETFだから絶対お得」「投信だから損」という固定観念は持たずに、商品ごとに判断しましょう。

税制優遇(NISA、iDeCoなど)の違い

日本には個人投資家の税負担を軽減するためのNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度があります。投資信託とETFでは、これら制度の利用しやすさ適用範囲に違いがあります。

NISAでの扱い: NISA口座では、本来20.315%課税される株や投資信託の売却益・分配金が非課税になります​。ETFも投資信託もNISA口座で買えば利益に税金がかからない点は共通です​。ただし、NISAには2024年から新NISA制度が始まり、2つの投資枠(つみたて投資枠と成長投資枠)があります。それぞれ年間最大120万円(つみたて)と240万円(成長)の投資が可能で、生涯投資枠1,800万円の範囲内で非課税運用ができます。つみたて投資枠はいわゆる長期積立・分散投資用の商品枠で、基本的に従来の「つみたてNISA」対象ファンド(一定の低コスト投信)が投資可能です。一方の成長投資枠は従来の一般NISAに近く、株式やETFも投資できます。

この新NISAにおいて、投資信託とETFのどちらも両方の枠で購入可能となっています​。ただしつみたて投資枠で投資できるETFは限られるようです​。基本的には金融庁が指定する長期積立向きの商品リストにあるもの(多くは投資信託)が対象で、ETFは現時点ではNISA対象として承認された一部商品のみになるとみられます​。実際問題として、つみたてNISA枠=投資信託成長枠=個別株やETFもOKと考えてよいでしょう。重要なのは、NISAを活用すれば投資信託でもETFでも運用益非課税のメリットを受けられるという点です​。したがって、「どちらが税制的に有利」という差は基本的にありません。強いて言えば、つみたてNISA枠を使いたいなら投資信託一択という点でしょうか(ETFは除外される可能性が高いため)。また、NISA口座では分配金の自動再投資は制度上できない点にも留意が必要です​。特にETFはそもそも自動再投資の仕組みがありませんが、NISA口座だと投資信託であっても勝手に再投資はされず一旦現金で受け取る形になります(受取後に自分で再度買い付ければ非課税枠内で再投資可能)。

iDeCoでの扱い: iDeCoは老後資金作りのための年金制度で、掛金拠出時に所得控除(節税)メリットがあり、運用中の利益も非課税、さらに60歳以降に受け取るときにも公的年金等控除など税優遇があります。iDeCoで投資対象となる商品は主に投資信託です。残念ながらETFはiDeCoの対象にはなっていません​。iDeCo口座を提供する金融機関ごとに、選べる商品として定期預金や保険商品、一括投資信託(インデックス・アクティブ各種)がラインナップされていますが、個別株やETFはラインナップに含まれないのが現状です​。これはiDeCo制度上、一括購入できる商品で長期積立に適したものとして投資信託が選定されているためです。そのため、iDeCoを利用するなら必然的に投資信託から選ぶことになります。逆に言えば、ETFはiDeCoでは買えないので、ETFで運用したい場合はNISAや課税口座を使う必要があります。

税制面のまとめ: 投資信託・ETFそのものに税金面の有利不利はなく、非課税制度をどう使うかがポイントです。初心者にはまずNISAやiDeCoの活用を強くおすすめします​。その際、つみたてNISAやiDeCoでは投資信託が主役になりますので、税制優遇を最大限使うには投資信託の利用機会が多くなるでしょう。もちろん余裕があれば一般NISA(新NISAの成長枠)でETFに投資して非課税メリットを享受するのも良いです。新NISAでは投資信託とETF両方使えますので、自分の運用プランに合わせて柔軟に選択しましょう。例えば、つみたて枠では毎月投資信託を積み立て、成長枠でETFをスポット購入するといった組み合わせも可能です。

運用の手間(自動積立、分配金の再投資など)の違い

運用管理の手間という観点でも、投資信託とETFには違いがあります。初心者が長く投資を続けるには「手間なく続けられるか」も重要ですよね。

自動積立の容易さ: 投資信託は自動積立投資がとても簡単にできます。多くの証券会社や銀行では、毎月一定日に指定金額の投資信託を自動で買い付けるサービスがあります​。例えば「毎月1日に1万円分の○○ファンドを買う」と設定しておけば、あとは口座残高さえあれば自動的に注文〜購入まで行われます。つみたてNISAもこの自動積立を活用した仕組みです​。一度設定してしまえば手間いらずで継続投資できるので、忙しい社会人でも投資を習慣化しやすいメリットがあります。さらにクレジットカード払いで積立するとポイントがもらえるサービス(楽天証券やSBI証券など)もあり、お得にコツコツ積立することも可能です。

一方、ETFでは基本的に自動積立サービスはありません​。ETFは株式と同じ扱いなので、毎月自動で買い付けるには投資家自身が注文を出す必要があります。証券会社によっては定期買付サービスでETFを定期購入できる場合もありますが、一般的ではありません(※例外として、マネックス証券の米国株定期買付サービスでは米国ETFの定期買付・分配金再投資が可能​。しかし現状、多くのETFは自動積立非対応と考えておいたほうが良いでしょう。そのため、ETFで積立投資をしようとすると毎月自分で買い付け操作をする手間がかかります。うっかり買い忘れるとその月は投資ゼロになってしまうので、機械的に続けたい人にはやや不便です。

分配金の再投資投資信託は分配金を自動再投資することが可能です​。投資信託には「再投資型」と「受取型」があり、再投資型を選べば受け取った分配金で自動的に同じファンドを買い増ししてくれます​。これにより、複利効果をフルに活かした運用ができます。分配金を都度出すタイプのファンドでも、多くの場合「分配金再投資サービス」を選択すれば実質再投資型と同じ運用が可能です。ETFの場合、分配金(配当)は強制的に現金で受け取ることになります​。ETFは証券会社の預かり金として配当金が入金されますので、それを自分で再度ETF購入に充てる作業が必要です​。この再投資の手間を惜しんで放置してしまうと、せっかくの配当が現金のまま眠り、複利効果が落ちてしまいます。上述のように一部証券会社ではETF配当の自動再投資サービスもありますが、限定的です​。基本的には自分で配当金を再投資する運用スタイルになります。

管理のしやすさ: 投資信託は基準価額や運用レポートが定期的に提供され、長期目線での情報提供が手厚い印象です。ファンドの月次報告書や四半期報告書で運用状況や見通しが語られるものもあります。対してETFは個別企業の株と同じで、細かな運用コメントなどはありません。基本的に指数に連動しているだけなので、投資家は指数の動向を見れば十分とも言えます。また、投資信託は保有残高に応じたポイントサービス(例えば投信マイレージなど)を提供している会社もあります。ETFはこれが無いことが多いですが、代わりに貸株サービスを使って貸し出すといった応用も可能です。

総じて、「ほったらかしで資産形成したい」なら投資信託の方が便利な仕組みが整っています。「自分で管理・タイミング調整しながら運用したい」ならETFの機動性が向いていると言えるでしょう。初心者には前者のスタイルが合うことが多いですが、性格や投資目的によって好き嫌いは分かれるところです。

パフォーマンスの違い(過去のデータ比較)

パフォーマンス(運用成果)の違いは一概に比較しづらいですが、大きくインデックス運用かアクティブ運用かで差が出ます。

インデックス型同士の比較: 投資信託とETFで同じ指数に連動する商品同士を比べた場合、ほぼ同じパフォーマンスになるのが普通です。例えば先ほど例に出した全世界株式のインデックスファンドとETF(VT)のように、連動対象が同じであれば、長期的な値動きもほぼ重なります​。差があるとすればコストと「トラッキングエラー」(指数との乖離)の部分です。一般にETFの方がコストが低くトラッキングエラーも小さい傾向があり、結果的に指数により忠実な運用となります。そのため、指数に対するパフォーマンスの乖離はETFの方がわずかに有利かもしれません。しかし近年は低コスト投信もトラッキングエラーの小さい運用をしており、両者の差は年率0.X%程度の僅差であることがほとんどです。特に人気のインデックスファンドは運用会社も規模拡大に努めており、スプレッド取引などで指数とのズレを極力抑えています。したがって、「同じベンチマークならどっちでもいいじゃないか」と思ってしまうほど、インデックス型投信とETFのパフォーマンス差は小さいです。実際、多くの比較データでも、同一指数ならコスト差程度のパフォーマンス差しかないことが示されています。

アクティブ型との比較: ここで大きな違いとして現れるのがアクティブファンドの存在です。投資信託には指数を上回る成績を目指すアクティブ型がありますが、ETFは大半がインデックス型なので**「ETF vs アクティブ投信」という図式になります。過去のデータを見てみると、多くのアクティブファンドは長期的に見てインデックスに負けていることが知られています​。S&P Dow Jones社のSPIVA報告書によれば、日本のアクティブファンドの約70%が5年のスパンでベンチマーク指数に劣後したというデータがあります​。米国や欧州など他の国も含めると、世界的に見てアクティブファンドの6~9割は市場平均(インデックス)以下の成績しか出せていないのです​。要因はいくつかありますが、手数料負け(高い信託報酬が足を引っ張る)、運用マネージャーの限界、マーケット効率性などが指摘されています。このデータから言えるのは、「平均的にはインデックス投資(=ETFやインデックスファンド)が優位」ということです​。もちろん中には優秀なアクティブファンドもあり、常に指数を上回る成績を出しているものも存在します。しかし初心者がその「勝ち組ファンド」を見抜くのは非常に難しく、多くの場合探す労力に見合わないとも言われます​。したがって、パフォーマンス面の無難さで言えばETFやインデックスファンドによるパッシブ運用**が初心者には安心でしょう。

過去データ比較の具体例: 例えば、日本株市場で日経平均に投資する場合を考えてみます。日経平均に連動するETF(例えば「日経平均連動型上場投資信託」など)と、日経平均に連動するインデックス投信(例えば「○○日経225インデックスファンド」)では、過去5年や10年のリターンはほぼ同じです。ただし細かく見ると、ETFの方が信託報酬が低い分だけ基準価額の伸びがわずかに良いことがあります。一方、アクティブ投信で「日本大型株に投資する」といったファンドの平均を取ると、日経平均のリターンに届かないケースが目立ちます。実際、特定の年ではアクティブが勝つこともありますが、長期で見ると生き残りバイアスを考慮してもインデックス有利という結果が繰り返し示されています。

以上から、パフォーマンス比較では「インデックス vs アクティブ」の構図を念頭に置きましょう。ETF自体はインデックス運用がメインなので、投資信託の中でインデックス運用を選ぶかアクティブ運用を選ぶかでリターン期待値は変わってくるということです。初心者で銘柄選択に自信がないうちは、ETFまたはインデックスファンドで市場平均並みのリターンを狙う方が堅実と言えるでしょう。その上で、慣れてきたら一部をアクティブファンドにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

投資対象の違い(アクティブ運用 vs. インデックス運用)

上でも触れたように、投資信託にはインデックス型とアクティブ型があるのに対し、ETFは基本インデックス型です​。この違いは、投資家にとって選択肢の幅に影響します。

インデックス運用インデックスファンド(パッシブファンド)は、市場全体や特定の指数に連動することを目指す運用手法です。ETFはほとんどがこのインデックス運用で、投資信託にも多くのインデックスファンドがあります。インデックス運用のメリットは、市場平均のリターンを低コストで獲得できることです。前述の通り、長期的には多くのアクティブファンドが市場平均に負けてしまうため、特に初心者や運用に手間をかけたくない人にはインデックス運用が適しています。インデックスファンドなら投資先の中身が分かりやすい(どの指数に連動するか明確)ですし、リスク・リターンも指数から大きく逸脱しないので予測が立てやすいという利点もあります。具体例として、「S&P500指数連動」と銘打たれたファンドであれば、そのファンドの動きはS&P500次第となりますから、投資家は米国株市場の勉強をすれば良いわけです。同じ指数に連動するETFと投資信託があれば、先述のようにコストや使い勝手で選べばOKです。

アクティブ運用アクティブファンドは、ファンドマネージャーが独自の調査や運用戦略で銘柄選択・資産配分を行い、市場平均を上回るリターンを目指すものです。投資信託には数多くのアクティブファンドが存在し、著名なファンドマネージャーが運用する商品や、テーマ特化型(AI関連、環境関連など)のファンドなどバラエティ豊かです。ETFでも海外には一部アクティブETF(透明性の高い運用手法で指数を超えるリターンを狙う)が出てきていますが、日本ではまだ少数派です。アクティブファンドのメリットは、うまくいけば市場平均を大きく上回る利益を得られる点です。例えば新興国の成長株に厳選投資するファンドが大当たりして年20%超のリターンを出す、といった可能性もゼロではありません。また、自分が関心のあるテーマや分野を応援する気持ちで投資できる楽しさもあります。デメリットは先に述べたように成功確率が高くないこと、そして手数料が高いことです。**信託報酬が年1~2%**といったファンドも多く、そのハンデを乗り越えなければならないためハードルは上がります。初心者が最初からアクティブファンドに賭けるのはリスクもあるので、まずはインデックス中心に、余裕資金で少しアクティブというのがオススメのスタンスです。

投資対象の幅という観点では、投資信託の方が商品バリエーションが豊富です。インデックス連動商品はもちろん、中小型株特化特定セクター集中毎月分配型など、ETFにはないタイプのファンドも多数あります。例えば「ブラジルレアル建て債券に投資するファンド」や「◯◯産業に限定して投資するファンド」など、非常にニッチなものも探せば見つかります。一方ETFは指数ベースなので、指数が存在しないようなニッチ分野には投資できません。逆に、ETFには商品先物指数ボラティリティ指数といったユニークなものもありますが、これはごく一部です。総じて、投資テーマに応じた柔軟な商品選択をしたいなら投資信託とにかく市場全体に安く投資したいならETFという住み分けがあります。

その他のメリット・デメリット比較

上記以外にも、いくつか覚えておきたい違いや、それぞれのメリット・デメリットがあります。

銘柄数・選択肢: 既に述べた通り、日本では投資信託の銘柄数(約6,000)がETF(約300)を大きく上回っています​。選べる商品の多さという意味では投資信託の圧勝です。これは裏を返すと「多すぎてどれを選べばいいか迷う」というデメリットにもなりえます。初心者に6,000本から選べと言われても困りますよね。ETFは種類が少ない分、主要な資産クラス毎に代表的なETFを押さえれば済むというシンプルさがあります。ただし、どうしてもETFにない投資対象(例:特定の新興国の小型株だけに投資したい等)がある場合は、投資信託で探すしかありません。また海外市場に目を向ければ、米国ETFなど数千の商品がありますので、国内ETFで物足りなければ海外ETFを活用する手もあります。ただし海外ETFは為替リスクや税務手続きがやや複雑になるので、中上級者向けです。

取引の利便性: 投資信託はネット証券や銀行のサイトで完結しますし、注文も金額指定でできるので投資額を管理しやすいです。ETFは証券会社の取引ツール上での注文になるため、株式とまとめてポートフォリオ管理できますが、金額ではなく口数で指定するのが基本です。したがって「○○円分買う」というより「何口買う(売る)」という発想になります。また、端数処理にも違いがあります。投資信託は1万円分買おうとして基準価額に割り切れないと小数点以下の口数が発生しますが、ETFは株式同様1口単位なので端数は出ません(その代わりピッタリの金額にならない)。細かい点ですが、ボーナスなどで端数なく投資したい場合は投資信託の金額指定が便利です。

レバレッジ・先物代替: ETFには、例えば日経平均のレバレッジ2倍や**逆指数(インバース)**など、先物取引のような値動きをする商品があります。短期投機的なETFですが、これらは投資信託では提供されていない領域です(規制上、公募投信でレバレッジ2倍超は出せない)。初心者向けではありませんが、「下落局面で利益を出すETF(ベア型ETF)」などユニークな商品もETFには存在します。

心理面・経験値: 投資信託は価格を常時チェックできない分、精神的に穏やかに長期投資を続けやすいという人もいます。逆にETFはリアルタイム価格が見えるので気になってしまい、頻繁に売買してしまう誘惑があるかもしれません。ただ、これは本人の投資スタイル次第でもあります。一概にどちらが良いとは言えませんが、「放置したい人」は投資信託、「マーケットに触れていたい人」はETFという傾向はあるでしょう。また、ETFを売買するには株式取引の基本(板の見方や指値方法など)を学ぶ必要があり、その過程で投資の経験値が上がるとも言えます。投資信託だけだとマーケット感覚が養いにくい面もあるので、少額でもETF取引してみると勉強になるという意見もあります。

以上、様々な観点から違いを見てきました。それでは次に、それらを踏まえて初心者にはどちらが向いているかを考えてみましょう。

両者のメリット・デメリット

ここまで投資信託とETFの特徴を詳細に比較してきましたが、改めてそれぞれのメリット・デメリットを簡潔に整理します。

投資信託のメリット

  • 少額から投資可能: 100円や1,000円といった極めて少額から購入できるため、初心者でもハードルが低い​。
  • 自動積立が簡単: 積立設定をすれば毎月自動で買い付けてくれるので、手間なくコツコツ投資を続けられる。
  • 分配金再投資が自動: 再投資型を選択すれば分配金を自動で再投資でき、複利効果を逃さず運用できる​。
  • 税制優遇口座で使いやすい: つみたてNISAやiDeCoの主要な投資商品であり、税制メリットを最大限活用しやすい​。
  • 商品ラインナップが豊富: インデックスからアクティブ、国内外問わず6000本超の中から選べ、自分の投資目的に合った商品を見つけやすい​。
  • 手間をかけずに運用可能: 基準価額は日次更新のため頻繁に価格を気にする必要がなく、精神的に落ち着いて長期運用できる。
  • 販売チャネルが多い: 証券会社以外に銀行や郵便局でも購入可能で、インターネットに不慣れな人でも始めやすい。

投資信託のデメリット

  • リアルタイム取引不可: 市場が急変しても即時に売買できず、1日1回の基準価額でしか取引できない​。
  • 運用コストがやや高め: 一般にETFより信託報酬が高い傾向があり、長期ではコスト差がリターン差に繋がる​。
  • 購入時手数料がかかる場合も: ノーロード以外では購入時に1~3%程度の手数料負担が発生し、短期売買には不向き​。
  • 商品が多すぎて選択困難: 初心者には選択肢が多すぎて迷いやすく、適切なファンドを選ぶのに知識が必要。
  • 成績のばらつき: アクティブファンドは玉石混交で、大きく市場平均を下回るものもあり、選択を誤ると低パフォーマンスのリスク。
  • 信用取引不可: 現物購入のみで、信用買い・空売りといった取引はできない(※初心者には不要だが上級者には制約)。

ETFのメリット

  • 運用コストが低い: 同種の投資信託に比べ経費率が低く設定されているものが多く、手数料負けしにくい​。
  • リアルタイムで売買可能: 市場の状況に応じていつでも売買でき、指値注文で有利な価格を狙うこともできる​。
  • 透明性が高い: 基本的にベンチマーク指数が明示されており、保有銘柄も開示されているため中身が分かりやすい。
  • 株式と同じ扱い: 単元で売買でき、ポートフォリオを株式と一元管理しやすい。信用取引や貸株サービスも利用可能​。
  • 世界的に種類が豊富: 日本では300程度だが、海外ETFも含めれば多様なETFが存在し、グローバルな分散投資や商品投資も可能。
  • 分配金を自分で活用可: 自動再投資はできないが、配当金を自由に使え、再投資先を自分で選択するなど裁量の余地がある(現金収入としても得られる)。
  • 売買タイミングを制御: NAV任せでなく自分で買うタイミング・値段を決められるため、市場急落時の買い増しなど柔軟に対応できる。

ETFのデメリット

  • 自動積立ができない: 毎月の定期買付は原則対応しておらず、自分で継続的に注文を出す必要がある​。
  • 分配金の再投資手間: 配当金は自動再投資されないため、複利効果を得るにはその都度自分で買い増す手間がかかる​。
  • 最低投資額が高い場合: 1口単位のため、ファンドによっては数万円以上の資金が必要で、少額だと分散投資しづらい​。
  • 取引手数料・スプレッド: 売買ごとに手数料が発生し、さらに価格にスプレッドがあるため、短期売買を繰り返すとコストが嵩む。
  • 商品数が限られる: インデックス系中心で、アクティブに運用したいテーマや細かなニーズに合う商品が見つからない場合も。
  • 市場リスクに晒される: リアルタイムで値動きを見ることができる半面、急落のストレスを直視することになり精神的負担が大きいことも。
  • 税制優遇の制限: iDeCoでは利用不可、新NISAの積立枠でも対象外商品が多いなど、制度上使えない場面がある​。

以上が投資信託とETFそれぞれのメリット・デメリットのまとめです。では、これらを踏まえて初心者にはどちらがよりおすすめかを考えてみましょう。

初心者におすすめの選択肢は?

結論から言うと、多くの投資初心者にとっては「投資信託(特にインデックスファンド)」から始めるのがおすすめです。その主な理由は以下の通りです。

  • 少額・自動で始めやすい: 投資信託なら100円からでも積立をスタートでき、放っておいても自動的に買い付けてくれるため、投資の習慣を作りやすいです。初心者はまず無理のない範囲で継続投資することが大事なので、この点で投資信託は強力な味方になります。
  • 税制優遇をフル活用しやすい: 特につみたてNISAiDeCoを使う場合、投資信託以外選択肢がない or 限られるので、自然と投資信託から始めることになります。非課税・節税メリットを受けながら投資を覚えられるので、まずはこちらを優先すべきでしょう。
  • 運用を任せてOK: 初心者はマーケットのタイミングを読むのが難しいため、毎月定額買い付けによる時間分散分散投資が有効です。投資信託なら分散が効いた商品を選んで積立するだけでよく、個別の売買判断に悩む必要がありません。ETFだと「いつ買うか」など迷うこともありますが、投資信託の積立なら機械的に買うだけです。

一方で、ETFが絶対に初心者NGというわけではありません。次のようなケースではETFから始めても良いでしょう

  • ある程度まとまった資金で一括投資したい場合:例えば「ボーナスで50万円を一度に投資したい」ようなケースでは、信託報酬の低いETFで一括購入するのも手です。長期でほったらかすなら、低コストETFの恩恵が効いてきます。
  • リアルタイム性を重視する場合:投資タイミングを自分で見計らいたい人や、市場への興味が強い人は、最初からETFで始めても良いでしょう。実際に板を見ながら売買することで、市場の動きを肌で感じて学べるというメリットもあります。
  • 海外ETFで超低コスト運用したい場合:ちょっと玄人向けですが、例えば米国ETFのVTIやVOOなどに直接投資すれば、日本の投資信託経由より信託報酬を抑えられます。「為替リスクや税処理も厭わないからリターン最重視」という意欲的な初心者なら挑戦してもよいでしょう。

とはいえ、これらは少し特殊なケースです。大半の初心者にとっては、まずはネット証券で低コストインデックス投信を毎月積み立てるという方法がシンプルかつ効果的です。それに慣れて資産が増えてきたら、次のステップとしてETFも活用してみると良いでしょう​。例えば、投資信託で積立つつ、並行して興味あるETFを少額買ってみるといった併用もありです。実際、多くの投資家は投資信託とETFを併用しています。長期積立は投資信託、スポット買いや特定テーマ投資はETF、といった具合に使い分けもできます。

重要なのは、自分の投資スタイルや目的に合った方を選ぶことです。「仕事で忙しいからほったらかし運用したい」「まずは非課税枠で堅実に」と思うなら投資信託、「相場に向き合って勉強したい」「手数料はとことん削りたい」ならETFがフィットしやすいでしょう。迷う場合は、圧倒的に手軽な投資信託から始めてOKです。それでいて、ETFについても勉強だけは進めておき、余裕が出たら挑戦してみるくらいが良いと思います。

結論: どちらが初心者向けなのか?

総合的に見て、完全な初心者には「投資信託」での運用開始をおすすめします。投資信託は少額・自動・分散という初心者に嬉しい仕組みが揃っており、まず投資に慣れるには最適な器だからです。特にインデックス型の投資信託であれば低コストで市場平均に沿ったリターンが期待でき、大きな失敗もしにくいでしょう。実際、日本の制度(NISAやiDeCo)も初心者が投資信託でスタートしやすいよう設計されています。多くの金融機関も「まずは投信積立から」というスタンスです。

しかし、投資に慣れてきたらETFにも目を向けてみましょう。ETFはさらなるコスト低減リアルタイム売買といった魅力があり、資産形成の武器として有用です。初心者から一歩進んで中級者になる過程で、ETFをポートフォリオに取り入れると選択肢が広がります。例えば先進国株インデックスは投信で積立、国内高配当株はETFで保有など、組み合わせによってメリットを最大化できます。

要するに、「どちらが初心者向けか」は各人の状況によって変わるものの、まず投資信託で基礎を固め、徐々にETFも活用するのが王道と言えます。投資信託とETFのどちらが優れているというより、両者を上手に使い分けることが大切です。投資信託の手軽さ・継続力と、ETFの低コスト・機動性を組み合わせれば、初心者から上級者まで納得の資産運用が可能になるでしょう。

初めは分からないことも多いと思いますが、少額から実際に運用を始めてみると徐々に見えてくるものがあります。ぜひ本記事の内容を参考に、自分に合った方法で投資デビューしてみてください。継続は力なりです。最初の一歩を踏み出し、コツコツと資産形成を続けていきましょう!


参考文献

  • 京都銀行:「投資信託とETFの違いとは?メリットや向いている人もわかりやすく解説」(2024年9月10日更新)
    https://www.kyotobank.co.jp/column/nisa/asset-management/investment-trust-etf-difference/
  • イオン銀行:「投資信託とETFはどう違う?それぞれおすすめの人は?」(Money&You監修、2024年1月12日)
    https://www.aeonbank.co.jp/investment/special/366/
  • ランダムウォーカー(インデックス投資ブログ):「アクティブ運用とパッシブ運用のパフォーマンス比較…(2021年版)」(2021年9月27日)
    https://randomwalker.blog.fc2.com/blog-entry-4318.html
  • 楽天証券:「ETFではじめる日本株投資~iシェアーズETFで日本株に低コストで分散投資~
    https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/special/ishares_domestic-etf/
  • その他、金融庁・証券会社サイト内解説、各種ファンド目論見書・運用報告書 等

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